お麩の原料は小麦粉です。
小麦粉から取り出したグルテンに小麦粉を混ぜて形成し、焼き上げたものを「焼麩」、グルテンにもち粉を加えて形成し、ゆでたり蒸したりしたものを「生麩」と呼びます。
どちらも各地でさまざまな種類のものが作られています。
『麩』は大和朝の時代に中国から禅僧の手によって伝わったといわれ、奈良時代(710~794年)頃から日本でも作られるようになりました。当時は小麦粉を水で練り、餅状の固まりにして茹でるだけでしたが、後に水で洗うと良質のタンパク質を取り出せることが発見され現在の生麩が誕生しました。更に後年になると保存が利く焼麩が作られるようになり、日本全国の食卓でおなじみの食品となったわけです。また生麩のもちもちとした食感はさまざまなお料理やお菓子などにも手広く利用され、近年はその低カロリーさにも注目が集まっています。
麩は中国から伝わった当初、天皇や貴族しか食べることのできない高級な食品でしたが、後に厳しい修行を行う禅寺で精進料理として食べられるようになりました。肉や魚などを食べてはいけないお坊さん達にとって、麩は貴重なタンパク源だったのです。さらに後年の江戸時代後期には一般庶民の口にも入るようになりましたが、料理に用いるよりもお茶菓子として食べられることが多かったようです。
【麩の表記について】『麩』の表記は、中国から伝わった時のものがそのまま使われているようです。もっとも、日本で通常使用されている字とはちょっと違いますが、中国の昔の文献でもやはり『麦』と『夫』の字で麩を表していたそうです。
【2月2日は麩の日】全国製麩工業会が平成10年7月に、2月2日を麩の日と制定致しました。
お麩は、ダイエットや健康促進に気を遣う方にぴったりの食品ということをご存知でしょうか?
近年欧米化した食事による太りすぎや、健康弊害が問題になっており、多くの人が『カロリーは取りたくないけれど、体に必要な必須栄養は取りたい』と考え、食事に気を使うようになりました。体にとって必要な栄養素はたくさんありますが、お肌や髪、筋肉など体中の細胞を作るタンパク質は特に重要な栄養素です。植物性タンパク質の食品は飽和脂肪酸や脂質が少ないため動物性のものより低カロリーでヘルシー。お麩はこの植物性タンパク質をたっぷりと含んだ食べ物なのです。
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